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退去前の掃除はどこまで?契約・写真・明細を確認する順番

退去前の部屋で掃除道具と記録用のスマートフォンを並べたイメージ
退去前に部屋の状態を記録してから掃除を始める

退去前の掃除は、部屋を新品同様に戻す競争ではありません。まず契約書・特約・退去案内を手元に置き、部屋の状態を写真とメモで残します。そのうえで、日常の掃除で対応する汚れ、管理会社へ確認する傷や設備不良、請求書が届いてから確認する項目を分けます。

国土交通省の原状回復ガイドラインは、通常損耗・経年変化と、故意・過失などによる損耗を分けて考える資料です。個別の契約や物件状態から負担額が一律に決まる資料ではないため、契約内容と照合する起点として使います。

最初に契約書と退去案内を一つにまとめる

契約書、特約、退去案内、入居時の記録を同じ場所に集めます。掃除の範囲や立会いの方法が書かれている場合は、該当するページを確認します。契約の文言を読んでも判断できない箇所は、掃除を始める前に管理会社へ質問します。

ここで請求額の相場を当てはめたり、「すべて借主負担」「すべて貸主負担」と決めたりしません。契約、汚れの原因、傷の位置を分けて記録すると、後の確認がしやすくなります。

掃除前に部屋の状態を記録する

部屋を動かす前に、玄関から各部屋を撮影します。傷や汚れは、全体が分かる写真と近くからの写真を組み合わせ、部屋名・場所・撮影日をメモします。入居時の写真があれば同じ場所を並べ、変化の有無を確認します。

URの案内でも、入居時・退去時の状態を写真と日付、場所の記録で残すことが確認材料として扱われています。写真だけで責任や請求額が確定するわけではないため、契約書や管理会社との連絡記録と一緒に保存します。

「掃除」「確認」「修理相談」を分ける

次の3つに分けると、掃除のし過ぎを防げます。

分類その場で行うこと記録して残すこと
掃除で対応ほこり、通常の水じみなどを素材を傷めない範囲で軽く清掃清掃前後の写真、使った方法
管理会社へ確認傷、変色、設備不良、原因が分からない跡は作業を止める場所、状態、発見日、質問内容
修理相談破損や水漏れなど、汚れではない可能性があるもの触る前の写真、連絡先、回答

強い洗剤、分解、補修、電気・ガス設備の作業は、この手順の対象にしません。汚れではなく破損や設備不良に見える場合は、無理に直さず確認へ回します。

掃除は素材を傷めない範囲で行う

水回り、換気扇、床、壁は、材質が分かる範囲で軽い清掃にとどめます。変色、剥がれ、へこみ、カビのように見える跡がある場合、力を加える前に写真を残します。落とそうとして状態を変えると、元の状態との比較が難しくなるためです。

退去日が迫っている場合も、未確認の汚れを一度に処理しようとせず、場所ごとに「清掃済み」「確認待ち」のメモを付けます。確認待ちを残したままでも、管理会社へ伝える内容が整理されていれば、次の連絡につなげられます。

立会いでは指摘箇所と書類を読み合わせる

立会いがある場合は、指摘された場所を写真と照らし合わせます。書面の項目、対象箇所、説明された内容に分からない点があれば、その場で質問を記録します。「必ず署名する」「絶対に署名しない」と一律に決めず、書類の意味と契約上の扱いを確認します。

国民生活センターは、賃貸住宅の退去時に契約書・特約・請求内容を確認し、疑問があれば相談窓口へ相談する流れを案内しています。相談したことで請求が必ず減額・取消しになるという意味ではありません。質問した内容と回答を残し、次の確認に使います。

請求明細は項目ごとに確認する

請求書が届いたら、合計金額だけでなく、項目、対象箇所、数量や作業内容、契約上の根拠を順番に確認します。写真のファイル名や連絡記録と対応させ、説明が足りない項目を箇条書きにします。

明細だけで判断できない場合は、管理会社へ「どの場所の、どの状態についての請求か」「契約書のどの記載が根拠か」を質問します。地域の相談窓口を利用する場合も、契約書、特約、写真、明細、これまでの連絡記録をそろえてから相談します。

退去前に残すチェックリスト

  • 契約書、特約、退去案内をまとめた
  • 入居時と退去前の写真を場所・日付付きで保存した
  • 清掃する箇所と、管理会社へ確認する箇所を分けた
  • 破損や設備不良に見える箇所を無理に補修していない
  • 立会いで確認する質問をメモした
  • 請求明細の項目と契約上の根拠を照合する準備をした

掃除の範囲を一律に決めるより、契約、状態の記録、明細の確認を順番に進める方が、確認すべき点を見失いにくくなります。判断が残る箇所は掃除で押し切らず、管理会社や公的相談窓口へ質問できる形に整えておきます。

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